ニースとアビニョンを訪ねたのは、ニースでは地中海の美しさとカジノ、アビニョンでは「歴史」を見たいということであった。
あいにくの曇り空で、あのどこまでも抜けるような「青い」地中海を見ることが出来ず温子は残念がっていた。稔はルーレットを期待していたのにそれがなく、仕方なくスロットマシーンをしたが「消化不良」。思い切っていけばバス・40分で行けるモナコまで足を延ばせば本格的なカジノを楽しめたのに残念。
世界史の授業で教えた「教皇のアビニョン幽囚」14世紀に教皇が二人並び立った事件ーの跡をそのまま見ることが出来、稔は感動、満足していた。街全体が城壁に囲まれている、その城壁が完全に残っている。世界遺産に登録されるのも頷ける。恐ろしく頑丈に作られた教皇庁が、外見はそのまま残っているが、内部はフランス革命時に略奪されて何もないガランドウ。「強者どもが夢のあと」が心にふっと浮かぶ。
アビニョンからバス・45分で行けるアルルの街。ローマ帝国時代、ガリア(フランス)植民地支配の中心の一つ。2,000年前の街がそのまま残っており、かの円形闘技場、フォーロム地下回廊、古代劇場を見ることが出来た。おまけに、ゴッホゆかりの土地であるだけに「Espace Van Gogh」を見つけ、彼の絵そのままの「中庭」を見る、温子喜ぶ。
アビニョンからバス・45分で行けるPonnt Du Gard(ポン・ディユ・ガール)。ガール橋。古代ローマ時代の水道橋、これも世界史の授業で教えたなと感慨ひとしお。ニームの町からユセスの町まで延々50qの野を越え山越えての巨大な水道橋を見て、ローマ帝国の権力の巨大さにつくづく呆れるのみ。しかし、ここに来る交通手段はツアーバス、マイカー、フランス人大好きな自転車である。私達みたいに普通のバスで来ている者は誰もいなかった。この日も私達だけであった。だから、8時25分について帰りのバスは13時22分発までなし、他の人は橋を見てさっさと帰るのに、私達には時間たっぷり、ワインをゆっくり楽しみ、のんびり田舎道を散歩してから帰った。
ワインなら、私の好みは「白」。口にヒンヤリ、飲むほどに旨くなってくる、一本も空ければほんのりとしてくる。あの「生暖かい」赤は好きになれない。ここプロヴァンス地方の名産は「ロゼ」−薄赤色で冷やして飲むーである、敬意を表していただいたが、最初は確かに旨い、だが、だんだん口に「だるく」感じた、甘さのせいかな。ワインでも飲んべえの私でもボトル1本だと少し酔うことが出来る。ハーフボトルでほんのり。「カラル」グラス1杯なんて注文しても飲んだ気がしない。ちなみに、旅行中、昼はハーフ、夜はボトル1本が原則であった。スーパーに行ってワインを買う。「高め」のワインを買う、でも、せいぜい5〜6ユーロ(7〜800円)、2,3ユーロのものが一般的。旨い、!安い!−日本だったら……。さもしいさもしい、楽しまなくちゃ。 稔
『旅も夢、酒の酔いも、また夢』 機会をつくって次の旅へ! |
前へ | 終わり |