パリ市民の家は、個人住宅でなく、アパルトマンである。アパルトマンは揃いも揃って5階建てプラス屋根裏部屋で、6階建てに見える建物である。
街路は、日本式の交差点方式はきわめて珍しく、ほとんどロータリー方式である。そのため、建物が三角形の「頭」を持つ変形の形をしている。ロータリーに立って、右を見ても左を見ても、すべて同じ6階建ての高さのアパルトマンが同じ顔で、羅列という感じで建っている。パリにやってきたばかりの私達に、街区の区別はほとんど不可能、とにかく同じに見える。迂闊に街をほっつき歩くと迷子になるのは必定。余程気をつけないと元の場所に戻ることが出来ない。 しかし、この見事に6階建てに統一された街は、見た目には本当に「美しい」。これは19世紀に街造りをしたオスマンのお陰である。21世紀になってもパリ人はこの「美しさ」を引き継いでいる。 でも、道にたばこの吸い殻、紙くずの散乱。お世辞にも綺麗とはいえない。道路をゴミ捨て場と勘違いをしているのか。ゴミ箱が本当に置いてない。昔、糞尿まで道路に捨てた伝統か?このため伝染病の蔓延に困り、名高き「パリの下水道」が完備された。早朝、道路に水が流され、掃除人がホウキでゴミを水とともに流し、所々にあいた穴から地下下水道の流し込んでいる。 アパルトマンには駐車場が付いていない。みな路上駐車である。だから、道の両側は車の列である。場所が不足しているので、縦列駐車をするとき、他人の車をバンパーで押して入り込む。日本でこんな事をしたら、たちまち……。道理で、パリの車は車体に凸凹が結構着いていた。 稔
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